福がいっぱい！？フグの話10

フグといえば、「まん丸に膨らむ」というイメージがあるかも知れません。
前回のトリーター日誌でもご紹介したハリセンボンはまん丸に膨らんでいましたね。
しかし、フグの仲間の膨らみ方は大きく 2つあり、体全体が膨らむ種類と、腹部だけ膨らむ種類がいます。今回はこの中でも腹部だけ膨らむシロサバフグの皮の話をしましょう。

シロサバフグ

では早速、ちょっとイメージしてみてください。
風船が膨らむとき、その表面は伸びます。萎んでいる風船も手で伸ばすことができますね。
では、この風船が伸びない素材だったらどうでしょうか。膨らみそうですか？

答えは、そう、膨らみませんね。

魚の皮をわざわざ引っ張ってみたことのある方も少ないと思いますが、料理をされるときに皮を触る機会のある方は試してみてください。マダイや、マアジ、ブリなど多くの魚は基本的には伸びません。しかし、フグを含めた、体を膨らませることができる種類は皮が伸びます。

シロサバフグは冒頭でお話ししたように、体全体が膨らむ種類では無く、腹部だけが膨らむタイプです。ここまで来ると、膨らむ箇所と、膨らまない箇所の皮の違いが気になりますね。

では、シロサバフグの皮標本で見てみましょう。

ちょっとわかりにくいので、とげのあるところにオレンジ色の丸をつけてみました。
まずは背側の表面のとげを見てください。通常の状態と、引っ張ってみた状態です。
どうでしょうか。多少伸びたのかなという感じです。