エコロジー
2023年09月30日

アカウミガメの子ガメたちが、相模湾に旅立ちました。

2022年 8月 4日、ウミガメの浜辺にて“えのすい”初のアカウミガメの赤ちゃんが誕生しました。その後も子ガメは孵化し、9月 11日までに、総数は 196匹となりました。

アカウミガメは IUCNレッドリストでは Ⅱ類、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧 ⅠB類に指定され、世界的に絶滅が危惧されています。
2023年9月27日、“えのすい”で 約 1年間展示飼育していたアカウミガメ 2個体を相模湾に放流しました。この放流は、“ヘッドスターティング”の考えのもとにおこなったものです。
“ヘッドスターティング”とは、“短期育成放流”ともいい、最も外敵に襲われやすい子ガメの時期を飼育下で育成して、ある程度成長してから放流することで、子ガメの生存率を上げるという考え方です。
今回放流した子ガメは、誕生から約 1年後の2023年 9月の時点で体重 3~3.5kg、直甲長 23~27cm、直甲幅 20~22cmに成長しており、それぞれ PITタグ(マイクロチップ)という、個体の識別が可能な標識を装着しています。この放流が、未だ謎に満ちているアカウミガメの回遊ルートや生態解明の一助となることを期待しています。

子ガメが成体になるまで育つ確率は大変低いと考えられていますが、厳しい自然の中で成長し、いつか再び相模湾へ戻ってきてくれる日を願っています。

これまで、“えのすい”の子ガメたちの成長を暖かく見守っていただき、ありがとうございました。


育成した子ガメたちの情報
孵化後の大きさ(2022年 8月 4日)
No. 7:体重 22.9g 直甲長 4.72cm 直甲幅 3.82cm
No. 9:体重 23.8g 直甲長 4.48cm 直甲幅 3.92cm
※名称は、孵化測定時の番号です。

孵化直後の子ガメ

約 1年後の大きさ(2023年 9月26日)

No. 7:体重 3,900g 直甲長 27.99cm 直甲幅 22.68cm

No. 9:体重 3,400g 直甲長 24.15cm 直甲幅 21.96cm

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