「しんかい2000」が「ふね遺産」に認定されました
2021年7月、JAMSTECの有人潜水調査船「しんかい2000」が「ふね遺産 33号(現存船 第12号)」に認定されました。
「ふね遺産」とは、歴史的で学術的・技術的に価値のある船舟類およびその関連設備などを社会に周知し、文化的遺産として次世代に伝えるため、公益社団法人日本船舶海洋工学会が認定しているものです。
有人潜水調査船「しんかい2000」は、日本初の本格的な潜水調査船で、深度 2,000mまで潜航することができました。
1981年の完成後、1982年1月から2002年11月までの20年以上にわたって、1,411回の潜航をおこない、数々の研究成果をもたらすとともに、日本の深海研究の飛躍的発展に貢献しました。
また本船によって培われた技術や運用ノウハウは、その後に続く有人潜水調査船「しんかい6500」などの深海探査技術の開発に活かされました。チタン合金製の耐圧容器、日本初のシンタクティックフォーム浮力材、大容量の均圧型酸化銀亜鉛電池、インバーター制御による電動機など、当時の技術の粋が集約されました。
相模湾の深海調査で活躍!
日本初の本格的な有人潜水調査船「しんかい2000」
常設展示
「しんかい2000」はJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の有人潜水調査船です。人が乗船して深海を調査するために作られた、日本初の本格的な潜水調査船で、深度2,000mまで潜航することができます。
1981年の完成後、1982年1月から2002年11月までの20年以上にわたって、1,411回の潜航を行い、数々の研究成果をもたらすと共に、日本の深海研究の飛躍的な発展に貢献しました。
特に、当館が隣接し、展示テーマとする相模湾での実績を多く残し、記念すべき初潜航(1982年1月)と最終潜航(2002年11月)が相模湾であるばかりか、最多の318回潜航し、深海調査などを行っています。
ここでは、「しんかい2000」の臨場感あふれる展示をはじめ、コックピットのようすや深海調査研究の歴史など、深海に関するリアルな情報をご紹介いたします。

しんかい2000

コックピット
「しんかい2000」概要
- 大きさ/ 全長9.3m、幅3m、高さ2.9m
- 重さ/ 約24トン
- 乗員数/ 3名(パイロット2名、研究者1名)
- 水中速力/ 最大3ノット
- 通常潜航時間/ 7時間
「しんかい2000」の歴史と実績
- 1981年 「しんかい2000」および専用支援母船「なつしま」完成
- 1982年 1月26日 第1回潜航実施(初潜航)相模湾 初島沖 訓練潜航(最大潜航深度20m)
- 1983年 7月22日 研究調査開始 初調査潜航 富山湾(水深80m)
- 1984年 相模湾伊豆半島熱川の東方沖合 水深1,270mで枕状溶岩を発見/相模湾初島沖の水深1,100mでシロウリガイの群集(コロニー)を発見
- 1990年 相模湾初島沖のシロウリガイ群集域で採集したチューブワーム(ハオリムシ)とシロウリガイから深海微生物を抽出し、陸上で培養を行う
- 1991年 (「しんかい6500」調査潜航開始)
- 2002年 11月11日 第1,411回潜航実施(最終潜航)相模湾 初島南東沖 訓練潜航(最大潜航深度1,220m)、1,411回潜航後運航休止
- 2004年 廃船
「しんかい2000」機械遺産に認定

機械遺産認定証
2017年8月7日、有人潜水調査船「しんかい2000」が一般社団法人日本機械学会より「機械遺産 第87号」として認定されました。
機械遺産とは
歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、主として機械技術に関わる歴史的遺産「機械遺産」(Mechanical Engineering Heritage)について日本機械学会が認定するもの。
機械遺産(一般社団法人日本機械学会)

新着生物硫化鉄の鱗を鎧のように身にまとった巻貝として
世界中で話題になった「ウロコフネタマガイ」
(俗称:スケーリーフット)、標本展示中!
詳しい情報その他の生物情報