
ハナビラウオは、幼魚期に表層を漂うクラゲに身を寄せて過ごすことが知られています。クラゲはハナビラウオにとって隠れ家でもあり、食料にもなっています。
展示を開始したハナビラウオは昨年12月に伊豆で採集され、今年の 2月までクラゲサイエンスでクラゲとともに展示をしていた個体です。

2024年12月 展示時のハナビラウオ
本種の成魚は、深海の海底を主な生息場所としているため、バックヤードでは成長に合わせて少しずつ飼育水温を下げ、与える餌もクラゲから他の餌(アサリやエビなど)へと変えていきました。幼魚のときは半透明で花びらのようなかわいらしい姿でしたが、今はいぶし銀のような凛々しい姿になりました。よく観察すると、頭のほうは鱗(うろこ)がなく、口の中が黒いことがわかります。展示当初は 3㎝ほどの大きさでしたが、今では10倍ほどのサイズになりました。ここまで成長したのは当館で初めてです。バックヤードでは単独飼育でしたが、これからは他の魚たちと一緒です。新しい環境に慣れ、さらに成長してくれることを願っています。みなさま、どうぞ温かく見守ってください。
※短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。