
夢の共演、美しいクラゲの混泳展示!
リゾストマ・パルモとコティロリーザ・ツベルクラータのこと、もっと教えて!
リゾストマ・パルモ
学名:
Rhizostoma pulmo
英名: Barrel jelly
鉢虫綱 根口クラゲ目 ビゼンクラゲ科
大きさ: 傘の直径 約 3~6cm
コティロリーザ・ツベルクラータ
学名:
Cotylorhiza tuberculata
英名: Fried egg jelly
鉢虫綱 根口クラゲ目 イボクラゲ科
大きさ: 傘の直径 約 2~4cm
Q1.クラゲの混泳展示って珍しいの?
A. 今回のような複数種のクラゲを同じ水槽に入れる展示はあまりありません。
なぜかというと、クラゲはその毒性や食性から、基本は一水槽一種類で飼育展示をおこないます。
例えば、アカクラゲとミズクラゲを同じ水槽で飼育すると、ミズクラゲはアカクラゲに餌として捕まえられてしまいます。
Q2.どうして、この2種なの?
A. リゾストマ・パルモ(以下、パルモ)とコティロリーザ・ツベルクラータ(以下、コティロ)は、分布域が同じ地中海です。
また、2種とも根口クラゲの仲間で、どちらも小さなプランクトンを餌としていて、他のクラゲを食べることはありません。
毒性に関しては、バックヤードでしばらく混泳試験をおこない、どちらの種も体調を崩すようすもなく飼育することができたため、この2種での混泳は問題ないと判断しました。
なにより2種に共通して見られる青紫色に注目してください。
パルモは傘の縁取りが濃い青紫色に、コティロは口腕付属器がかわいらしい紫色になります。
このリンクをぜひ展示で紹介したく、この2種での混泳飼育を試してみました。
Q3.それぞれのクラゲのこと、もっと教えて!
A. パルモは、2021年に初めて繁殖に成功したクラゲです。
英名は、Barrel jelly、樽クラゲです。傘の大きさが60~90cmになる大型のクラゲです。
コティロは、その姿形からとても人気のある種類です。
ただ、きれいな形に育てるのが難しいクラゲでもあります。英名は、Fried egg jelly、目玉焼きクラゲです。上から見ると目玉焼きのように見えるのでそう呼ばれていますが、飼育下の繁殖個体はどちらかというとかわいらしい帽子とドレスをまとっているようにみえます。
Q4.この展示で伝えたいことは?
A. 海では、たくさんの種類の無数のクラゲが混在しています。
海と飼育下では、環境が違うので、同じようにはなかなかいきませんが、種の多様性や他種との関係性を伝えられる展示をしていきたいと思っています。
また、このコロナ禍で、繋がることが難しいときもありますが、気持ちでは繋がっていたい、この2種の色のリンクに「繋がり」という想いも込めました。そして、今はなかなか行くことが難しい遠い地中海やヨーロッパにも想いを巡らせられたらと思っています。