2021年11月16日

深海の海山からやってきた 
ちょっとかわった姿かたちの甲殻類たち

  • 展示開始日:2021年11月13日(土)~
  • センジュエビ科の一種/ツノワラエビ属の一種

世界初展示!千本の手を持つ生きた化石!?
センジュエビ科の一種


センジュエビ科の一種
学名: Homeryon armarium
十脚目 センジュエビ科(種同定:駒井 智幸 氏)
大きさ: 15cm
採集場所:西七島海嶺(沖合海底自然環境保全地域)水深800m
展示場所:深海Ⅰ

センジュエビのなかまは非常に珍しく、生きたまま採集されることは極めてまれです。
「生きた化石」と呼ばれることもあり、他のエビ類とは違うかわった体のつくりをしています。
特に特徴的なのは 10本ある脚すべてにハサミがついている点で、たくさんの手があるように見えるその姿はまるで「千手観音」です。
底曳き網漁などで混獲されるセンジュエビやヒメセンジュエビは砂泥底に生息しますが、今回公開しているセンジュエビ科の一種は、辺り一面岩質の海山の海底で見つかっています。
日本近海で見つかるセンジュエビ類とは違った生態を持つ種なのかもしれません。



手足のながーーーーーい!エビ?カニ? 
ツノワラエビ属の一種


ツノワラエビ属の一種
学名: Sternostylus sp.
十脚目 ツノワラエビ科(Sternostylidae)(種同定:駒井 智幸 氏)
大きさ: 20cm
採集場所:西七島海嶺(沖合海底自然環境保全地域)水深800m
展示場所:深海Ⅰ

細長いワラのような手足をもつ、ツノワラエビ属の一種。
名前に「エビ」とつきますが、「エビ」よりも「ヤドカリ」に近いなかまです。
ハサミがあるので「カニ」のようにも思えますが、数えてみると、見えている脚はカニより2本少ない8本です。
ワラエビのなかまはヤギ類やトサカ類などの刺胞動物についていることが多く、共生関係にあるといわれています。
公開個体のツノワラエビ属の一種もヤギ類の上にいるようすが観察されています。



「沖合海底自然環境保全地域」とは

日本南方の沖合にはたくさんの海山があります。
深海の海山には、今回公開しているツノワラエビ属の一種、センジュエビ科の一種を含め、甲殻類やヤギ類、トサカ類を中心とした多種多様な生物が高い密度で生息しています。
このような沖合の海山は、非常に長い時間をかけてつくられてきた生物多様性が今もなお保たれている数少ない海域であり、海洋の生物多様性を理解するうえで極めて重要です。
日本南方の海山や海溝の生物多様性と生態系の保全を進めるため、環境省は今回の調査海域「西七島海嶺」を含む海域や他3海域について、令和2年12月に「沖合海底自然環境保全地域」に指定しました。

*公開個体は国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)との連携と協力に係る協定により長期飼育実験をおこなっています。
*公開個体は環境省の令和3年度沖合海底自然環境保全地域調査等業務(JAMSTEC請負)において採取しました。
*令和2年度沖合海底自然環境保全地域調査等業務(JAMSTEC請負)KM20-10Cに参加した際の「航海日誌

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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