サカナヤドリヒドラの仲間は、ポリプが魚類に寄生するヒドロ虫類として、世界で 6種、日本ではサカナヤドリヒドラ(H. pacificus) 1種のみが知られています。
今回、カゴカキダイの幼魚に寄生したサカナヤドリヒドラ属の一種と思われるポリプを採集し、飼育・観察を続けていたところ、そのポリプからクラゲが遊離しました。
これまで、日本で唯一知られているサカナヤドリヒドラ H. pacificus はクラゲの遊離は観察されていません。今回採集されたポリプが H. pacificus かどうかは現在まだ調査中で、もしかしたら別種の可能性もありますが、いずれにしろ本属のクラゲを確認できたのは日本で初めての事例です。
傘径はおそらく最大でも 4mmほどで、傘頂が少し尖っているので、ミニサイズの「エボシクラゲ」という感じです。
小さくて不思議な生活史をもつ、魅力たっぷりの本種をぜひお見逃しなく!
そして、調査の進展も、どうぞお楽しみに!
※短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。