ホッケといえば、干物で北海道名物! として有名です。
魚類の図鑑などにも、分布は茨城県以北、北海道沿岸、オホーツク海などと記載されており、“えのすい”でも、太平洋の冷たい海の水槽で展示飼育していました。
ですが、稀に相模湾にもやってくることがあるのです。
それには世界でも指折りの深海湾である相模湾の特徴が関係していると考えられます。
相模湾は最深部約 1,500mと、とても深い湾で、表層部には黒潮系の暖かい海水が、水深 250m付近から深い場所にかけては親潮系の冷たい海水が流れ込み、その影響から栄養も豊富で多種多様な生物が生活している海なのです。ホッケやスケトウダラといった北方系の魚種が水揚げされているとの記録もあります。
今回展示しているホッケも、水族館のすぐそばの“江の島定置網”で混獲された個体です。おそらく親潮系の冷たい海水にのって南下して来たのでしょう。
ホッケはホッケでも、とても珍しい相模湾産のホッケなのです。