ハナビラウオは、幼魚の時期に、表層を漂うクラゲに身を寄せて過ごすことが知られています。今年の 1月、伊豆で採集された個体をクラゲサイエンスでしばらくの間展示をしていましたが、本種の成長は早く、あっという間にクラゲの展示水槽が狭くなってしまいました。そのため、一旦展示を終了し、バックヤードの広い水槽で飼育を続けておりました。
本種の成魚は、深海の海底を主な生息場所としていることが知られているため、成長に合わせて少しずつ飼育水温を下げ、えのすいに来たときは 3cmほどだった全長も、今では 20cmほどに。幼魚の半透明で花びらのような姿からは想像がつかないほど、黒っぽくて渋い姿になりました。
そしてついに先日、深海Ⅰのエビスダイがいる水槽にデビューしました。まだ新しい環境に慣れておらず、水槽下部の目立たないところでひっそりと泳いでいることが多いですが、持ち前の気の強さで他の魚たちともうまくやっていくでしょう。これからの成長が楽しみです。みなさまもぜひ探してみてください。
※短期間の展示となる可能性があります。ご了承ください。