ヒョウガライトヒキクラゲは、フィリピンの一部の河口域などで見られます。成長すると傘にヒョウ柄の模様が現れ、口腕からは糸状の付属器が伸びる美しいクラゲです。
ポリプから遊離したエフィラ幼生は乳白色をしており、しばらくはそのままの色で成長していきます。やがて傘径 1~ 2cmをすぎると小さな点々模様が現れてドット柄となり、傘の地色も少し青みをおびていき、だんだん「C」の字のようなヒョウ柄へと変化していきます。
本種は、2013年に広島大学・東海大学の調査チームにより約100年ぶりに再発見され、当館も参加した2016年の合同調査を経て、2017年に新江ノ島水族館、北里アクアリウムラボ(北里大学海洋生命科学部)、鶴岡市立加茂水族館の 3館にて、世界で初めて繁殖個体を展示公開しました。
このクラゲは河口域に生息しているため、塩分を薄めに調整した飼育水を使用します。また、ポリプがとても小さいので、細心の注意を払って維持管理を行います。手間暇のかかる種類ではありますが、多くの人の協力のもと、とても貴重なクラゲを水族館で展示できるようになりました。
現在はまだドット柄ですが、少しずつヒョウ柄へと変化していきますので、楽しみにしていてください。