
ワタユキウツボは1996年に台湾で新種として記載され、2023年に長崎県産の標本に基づき、標準和名「ワタユキウツボ」が提唱されました。ワタユキウツボの分布はこれまで、台湾、ベトナム、日本では長崎県からのみ報告されていましたが、展示個体は2021年に相模湾で採集されました。この報告により相模湾が本種の分布の北限となりました。
この個体が本当にワタユキウツボなのかを調べるために、体の各部位を計測したり、写真を撮ったり、レントゲン撮影をしたりしました。もちろん生きている状態での作業なので、麻酔でウツボを眠らせてその間に計測や撮影をしていきます。その成果は、論文として報告しています。麻酔処置をした後はすねて、しばらく餌を食べなくなってしまいましたが、最近はまたたくさん食べてくれるようになりました。イカの切り身よりもイカナゴ等、魚の方が好きなようです。
えのすいにやってきた2021年はまだ和名のついていなかったこのウツボが、北限記録のワタユキウツボとしてついに展示デビューです。ワタユキウツボの展示は、国内 2例目で、現在、生体展示を見られるのは当館だけです。
ぜひ、美しさと愛嬌を兼ね備えたワタユキウツボに会いに来てください。