2006年07月23日
トリーター:倉形

野生動物から農作物を守れ!


サルやイノシシ、シカなどから農作物の食害を食い止めようと全国各地であの手この手の作戦がおこなわれています。
この数年で被害総額は全国で 200億円前後に達しているため、事態を重く見た農林水産省が今月から被害に悩む地域の方々に野生動物に関する専門家を紹介する試みを始めました。
このような農作物の被害の割合は獣類(サルやイノシシなど)が 6割、鳥類(カラスなど)が 4割です。
そして、具体的な対策をおこなった例の中でも「サル」対策では「犬猿の仲」に着目した長野県大町市で農家で飼育している犬を 3? 4か月間民間の訓練所に預けてトレーニングをおこなった後、サル出没する地域に放しサルを山に追い返すなどの方法で高い成果が出ているそうです。
名付けて「モンキードッグ事業」だそうです。
現在、農林水産省が「野生鳥獣被害対策アドバイザー」として市町村などに紹介している専門家は大学や研究機関の研究者 67名であります。
また、食害は陸上だけの問題ではありません。海の中でも起きています。
その例としては、みなさんもよく知っている海のお花畑のように見える「サンゴ」も被害を受けています。
そのサンゴの天敵が「オニヒトデ」です。
このヒトデはサンゴを食べてしまうばかりでなく、オニヒトデの棘には毒があり人間が刺されれば大変なことになります。
しかし、このヒトデにも天敵はいます。
それは「ホラガイ」です。
ただホラガイもサンゴが生息する付近にたくさんいないため、駆除はやはり人間の手によるものが主流です。

水族館としては「オニヒトデ」の駆除を考えるよりも如何に「サンゴ」を増やし、減ってしまった海に戻し成長せるかというところに視点を置き日々研究しているところであります。
みなさん、“えのすい”のサンゴ水槽をぜひ見に来てください。

えのすいサンゴ水槽えのすいサンゴ水槽

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