2006年07月24日
トリーター:三宅

水深 5400mの深海底でみたものは?!


1週間ほど前にスペースシャトルが約 2週間の宇宙生活から帰ってきましたね。
最近は一般の人も宇宙旅行ができるという時代になりました。
宇宙に行くことは凄い!!!
と普通には思われますが、すぐ身近にあって、宇宙よりも行くことが難しいところは実をいうと何千mという深海なのです。
水圧という高圧の壁が深海に行くことを難しくしています。
スペースシャトルはあんなに大きな生活空間があるのに、潜水調査船はたったの 2mの球体内だけが人の入れるスペースで、そこに最大 3人だけ入ることができ、長期間生活することはできません。
実をいうと、宇宙に行った人よりも、深海に行った人の方が少ないらしいです。
いま、“えのすい”は水深 6500mまで潜れる有人潜水船「しんかい6500」を所有する海洋研究開発機構と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究をしています。
その関係で“えのすい”には 3人も「しんかい6500」に乗った人がいるのです。
先日、私も調査で乗ってきました。日本海溝の 5400mの地点です。
たくさんのミッションを負って潜航するのですが、海底に着くまで 2時間半、海底での調査が約 3時間、海底から浮上するまで 2時間半です。
その海底で見たものは深海性のクラゲ類、シロウリガイ、ユメナマコ、ソコダラの仲間、ソコボウズなどいろいろなものが見えました。
しかし、そのなかには驚愕のものがありました。
なんとビニールの買い物袋です。
5400mという、こんな深海にまで我々の生活ゴミがありました。
回収しようと思いましたが、海底にも潮流があるので流されてしまいました。
このビニール袋はこの後も永遠に深海底を転がり漂っていくのでしょう。

いま、夏休みに入り、みなさんも海や山や川に遊びにいって、自然と親しむには絶好のシーズンです。
私もこの時期になると、大人になってもクワガタムシやカブトムシを取りに行きたくなってしまいます。
だけど、ゴミは必ず持ち帰って、ゴミ箱に捨てましょう。
そのうちなくなるからいいやと思うのは大間違いです。
深海底のような見えないところにどんどんたまっています。
見えないところにたまっていくと、あとでどんなひどいことになるかわかりません。
自然を大切に、ゴミはきちんと持ち帰りましょう!

ゴミは持ち帰りましょう!ゴミは持ち帰りましょう!

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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