2006年09月24日
トリーター:伊藤

生き物にさわりたい!?

寒くなったと思ったらまた残暑・・・ということでここ 2週間ほどずうっと風邪っぴきの伊藤です。

9月20日に北京動物園でパンダと人間の取っ組み合いが起こったと報道されていました。人間の方は泥酔していて、「パンダに触ってみたかった」といってパンダともみあい、咬まれて病院に運ばれましたが「パンダの皮は分厚い」と感想までいっていたそうです。褒められた行為ではありませんが、ただ一点、「生き物の肌触りを楽しみたい」という部分には共感を覚えました。
人間は他の生き物に触ってみたいと思うものです(?)。
私も子どもの頃からいろいろ触ってきました。ヘビのつるりとした感じ、大型コイ類のぬるっとした下にウロコの硬さが伝わってくる感じ、ドジョウが指間に潜り込もうとする感じ等とても好きで、今でも野外で出会うとすかさずつかんでいます。逆にアゲハチョウの幼虫に角を伸ばされたり、カブトムシのさなぎに身をよじられたり、トカゲの切れたしっぽが激しくのたうたれたりしたのにはビックリしました、今でも苦手です・・・。知人には、エノコログサなど植物の種をしごくのが好き(癖?)で、ついイラクサに触ってしまい、痛い思いをした人や、コイがいたらすかさずつかみあげて触りまくり、最後に記念にウロコを一枚もらうという人もいましたよ。
ともあれ、生き物を見て、触って、感じて、驚く。これはとっても大切なことだと思います。

水族館(博物館)においてもこうした経験はハンズオンの精神から非常に重要だとされますし、理屈抜きに楽しいので、ぜひみなさんにもしてもらいたいと考えています。当館ではタッチングプールのコーナーがあり、サメをなでることができます。
「咬まれる危険はないのか」と不安に思う方もいるかと思いますが、おとなしい種類を選んでありますし、トリーターが触り方を教えてくれますので安心です。やさしくなでて触り心地を実感してみてください。
水族館のタッチングコーナーといえば、昔は触られた生き物が弱り、使い捨てのように扱われている感じもしたものですが、当館のサメたちはそうしたことはなく、餌もバクバク食べますので安心しています。
一方で本音をいえば、触りすぎると弱ってしまうような生物こそ、触った感触も独特で感動も大きいと思うのです。軟体動物やナマコなど、野外ではちょっと触って逃がしてあげれば済むのですが、水族館では立て続けにいろいろな人に触られ続けるため、展示として成就させるにはまだ試行錯誤が必要だと感じます。
私は幼い頃から、家の外でいろいろなものに触っていたそうです。時にはかぶれたり、虫に刺されたりして痛い思いもしたようですが、覚えているのはアリやハンミョウをつぶさないようにやさしく、かつ逃がさないようにシッカリとつかんでいた記憶です。
そんな経験をさせながら私を育ててくれた両親に感謝しているきょうこの頃です。

トカゲにタッチ!トカゲにタッチ!えのすいのタッチングプールえのすいのタッチングプール

タッチプール

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