2006年09月30日
トリーター:唐亀

集う

ハロウィン水槽、イメージ涌かずこれを書き、唐亀です。22時の逃避行。
さて、若干時事ネタとしては鮮度に疑問が残りますが、総理大臣の政権交代がありましたね。
総理大臣は、日本のリーダーといえる存在です。私たち「人」は家族から始まり、町、市、国などのコミュニティの中で寄り添って暮らしています。その中にはリーダー、統率者が必要となってくる訳なんですね。
では、水族館にいる動物たちにも、寄り集いて暮す仲間がいますが、彼らはどうなのでしょうか。
度々質問を受けるものでもあります。「イワシの群れにはリーダーがいるの?」と。
同じように群れていても、実は事情が若干違う場合があります。
水族館に入って、すぐの水槽には「ゴンズイ」がいます。彼らは「ゴンズイ玉」といい、おしくらマンジュウ状態で海中を泳ぎます。この時、リーダーはいません。ただし、集合ホルモンを出し合い、いわば「固まらなければいられない」状態なのです。実はこの集合ホルモン、台所のあの虫もだしているんですね。これは余談。
そして、その隣にはネンブツダイとソラスズメがいます。これらの群れには「まとまり」がなく、一見群れているようでも、互いに関心がなかったり、近寄りすぎると、突付いたり。どちらかというと、好きな環境が一致しているとか、餌が多いところに集まっている、という感じでしょうか。
深海生物「ゴエモンコシオリエビ」もある一箇所にゴチャッと集まって暮らしているそうですが、これも、食べ物確保の為だそうです。腹や足に硫化水素を好む細菌がいて、それが作り出すものを食べている彼らは、より硫化水素に当たるところに群れるのだとか。

さて、「マイワシ」ですが、もう想像が付いていると思いますが、やはりリーダーは存在しません。大きな群れを作り、大きな動物に見せかけ、敵に襲われにくくしている、とよく聞く説明ですが、実際、襲われます。それよりも、急反転やトリッキーな変形により、個々の輪郭をぼやかし、一匹に的を絞ることを困難にさせているのです。
「みんなで力を合わせて生き残ろう!」ではなく「僕じゃない、僕じゃない」って感じでしょうか。夢がないのは重々承知ですが、野生動物は、リーダーに頼るほど余裕が無い位一生懸命に生きているんですね。

最近のuogokoro
風邪引いて、お休み中。
あ、10月1日より、テーマ水槽は、ハロウィンにちなみ「おばけのような生き物たち」にリニューアルです。その中の「ファイアサラマンダ−」が極局所で人気者に。「サラちゃん」と呼ばれています。というか、それをやってたんダァ!では現実に戻ります。

ゴンズイゴンズイ

相模湾ゾーン

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