2006年10月25日
トリーター:伊藤

透明な生き物

「透明になるマント」まるで某ネコ型マシーンの秘密道具ですが、これを実現に近づける素材を米英の研究チームが開発したそうです。20日科学雑誌のサイエンスに掲載されたとありました。

人間にとっては夢?の透明技術ですが、「透明な生物」というのは案外、普通にいるものです。当館のファンタジーホールのクラゲ類や、皇室コーナーのトランスルーセント・グラスキャットは内臓や骨が透けて見えている典型的な透明生物ですね。
また、生まれたばかりの水生生物の幼生や仔魚は多くが透明です。ご存知シラスや甲殻類のノープリウス幼生、ウナギやイセゴイのレプトケファルス幼生など、まるで生きたガラス細工のようです。自然界において透明な体は、目で獲物を探す敵から逃れるための有効な手段となります。
また、色のある生物でも、死んだ後であれば、薬品を使って透明な標本をつくることが可能です。筋肉を透明にして、さらに軟骨と硬骨を異なる色で染めることで、生物の骨の並び方や数をじっくりと調べたりできます。
当館の深海コーナーにはこの技術で製作した深海魚(ハダカイワシ)の透明骨格標本が展示されていますので、ぜひごらんになってください。

さて、みなさん。今後さらに研究が進んで、完全な透明人間になれるようになったら、いかがされますか?
ちなみに私は透明になりたいという願望は全くありません(本当でしょうか?)。
人目を離れたければ木陰や草むらにでも隠れればいいですし、透明だと、走ってくる自転車などが避けてくれないので、怖いでしょうからね。

ギヤマンクラゲギヤマンクラゲ

RSS