2006年12月30日
トリーター:三宅

ミョウジンシンカイコシオリエビ

みなさん、こんにちは。
航海日誌をご覧の方はお分かりとは思いますが、19日から 25日まで海洋研究開発機構の研究調査船「なつしま」に乗っていました。
今回は伊豆小笠原海域の明神海丘という熱水噴出域( 1,250m)と相模湾の初島沖の冷湧水域( 850~ 1,200m)での調査で、無人探査機「ハイパードルフィン」での潜航調査でした。
「なつしま」はJAMSTECの中では一番古い小さな船(普通に考えれば案外大きいです)なのですが、深海生物の研究をするには、JAMSTEC所有の船の中でも断トツに素晴らしい設備が整っている船で、私が一番好きな研究調査船です。

今回の成果は、もう新聞の地方版やインターネットにもでていますが、ミョウジンシンカイコシオリエビです。今まではシンカイコシオリエビの仲間を採集して飼育しようと頑張ろうとしても、船上に上がってきたらほとんど瀕死の状態でした。でも今回は違って、船上に上げてもぴんぴんしていて、水槽の中で動き回ったり、泳いだりしていました。こんなに元気のいいシンカイコシオリエビを手にしたのははじめてです。
このミョウジンシンカイコシオリエビが当館の深海コーナーで展示されています。真っ白なものや熱水の影響で熱水成分が体表面に沈着して黒くなったものがいます。ゴエモンコシオリエビは丸っこくてかわいいですが、ミョウジンシンカイコシオリエビは細形で格好いいです。

当館の深海コーナーで展示されている深海生物はほとんどが世界初展示物で、世界中どこを探しても見れない生物ばかりです。
深海生物研究者でない限り、当館の深海コーナー以外では一生涯で目にできることはないでしょう。そんな生物が所狭しと展示してあります。ぜひ、一度見にきてください。

ミョウジンシンカイコシオリエビ (C)JAMSTECミョウジンシンカイコシオリエビ (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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