2007年01月01日
トリーター:伊藤

昨年の抱負と新しいハゼ

新年明けましておめでとうございます。みなさんはもう、おせち料理やお餅を食べましたか?私は仕事の後でたくさん食べる予定です。

さて、昨年のお正月に旧ショーの中で、ダイバーたちが各々の抱負を発表したことがありました。私は「生き物の調査などを頑張る」という抱負を立てたことを思い出し、昨年の新江ノ島水族館の調査・研究発表の数を数えてみました。論文掲載 3本、研究発表 15本ですね(私はうち 4本でした。ぎりぎり抱負クリアでしょうか)。
さて、新年早々かたいお話で恐縮ですが(新年だからこそ、かたく引き締めてスタートとも)、この辺の研究について少し書いてみます。
生き物の「研究」と聞くとみなさんとても敷居が高く感じられるかと思いますが、実は、研究発表は「だれでも」することができます。家で育てているペットや植物を見ていて、ふと不思議に気づいた時、それをノートにメモしておいた、それが世界でまだ誰も気づいていないことだった場合、非常に価値のある発表となります。
論文の方は少し手がかかり、書いた内容をその道のプロたちに見ていただいて、直して直してOKが出れば雑誌に掲載となります。てこずると書いてから載るまで 1年以上かかる場合もあるので、忍耐が必要になることもあります。
さてココで興味を持たれた方のために、ホームページの研究発表ページの「見方」について触れてみます。
特殊な書かれ方をしてますから、難しそうに思われますが、実はそうでもありません。例えば、

深海生物の飼育と観察
2004年08月 プランクトン学会報 51( 2)P 127- 131.
三宅 裕志


とあれば、2004年8月に出版された「プランクトン学会報」という雑誌の 51巻の 2号、127ページから載っていて、書いたのは三宅トリーター、という意味です。これら学術雑誌は大学の図書館などにいけば、借りることができると思います。
一方「○○大会」とか「○○発表」と書かれページ数がないものは、この時期にトリーターが大会に参加して喋ってきた、という意味です。
堅い切り餅のような話題をお雑煮くらいまで柔らかかくしてお伝えしようとしましたが、いかがでしょうか。

さて、最後に新しい展示について。
3日前に今井トリーターがここで予告しました「ジャノメハゼ」が本日よりお目見えしました(今上陛下のご研究コーナー)。パッと見ると地味な種ですが、突き出した鼻管や尾の付け根の蛇の目模様など、渋い魅力があります。1個体のみの展示となりますので、ご興味がある方はお早めにお越しください。

それでは、本年もよろしくお願いいたします。

ジャノメハゼの顔ジャノメハゼの顔

皇室ご一家の生物学ご研究

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