2007年01月30日
トリーター:杉田

青いけむり

少し前のニュースですが、沖縄・石垣島の近海で、海底から青い熱水噴出物が出ているのが発見されました。
熱水は、その成分(硫化水素)が金属元素と反応を起こし、黒い金属硫化物を生成して黒い煙のようになって噴出してきます。
ちょっと小難しい話になりましたが、とにかく海底で化学反応を起こして色のついた熱水が出てくるわけです。その温度は 300℃前後ともいわれています。
これまでは黒いブラックスモーカーや白いホワイトスモーカーしか知られていませんでしたが、今回見つかったのが青い「ブルースモーカー」。この青色も、やはり化学反応を起こしているため、という可能性が大きいようです。なにしろ見たことも聞いたこともないものですから、これから研究が進むと思いますが・・・。

この数百℃というとんでもない熱水のもとには、実はたくさんの生物が集まります。熱水に含まれるイオウ分を栄養源としている生きものたち。世の中には不思議な生きものがいるものです。
“えのすい”でも、そんな不思議な生きものたちを見ることができます。しかも生きものだけではなく、熱水の噴出するようすまで見ることができるんです!って知ってました?
熱水が噴出しているのはユノハナガニの水槽。
とはいってもさすがに水槽の中で 300℃の熱水を発生させるのは不可能です。水温 10℃の水槽の中で、30℃くらいの温かい海水が噴き出しています。
真ん中あたりをよーく見てみると、水がゆらゆらとゆらいでいます。そしてその根元にはたくさんのユノハナガニたち。実際の深海底のような姿を見ることができます。
深海コーナーは、ちょっと暗くて不気味な感じもしますが、ぜひ水槽をひとつひとつ、じっくり眺めてみてください。

それではきょうの、というか最近のうおゴコロ。
実はじわじわ増えてきている大水槽のミノカサゴたち。(繁殖しているわけではありません、あしからず)
ちょっと「トロン」押され気味?岩陰からじっとこちらを見ていることも多いです。
でもそんな姿もかわいいんだなぁ、これが。

ユノハナガニ (C)JAMSTECユノハナガニ (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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