2007年02月15日
トリーター:植田

温暖化の影響?東京湾の海水温

このところ新聞紙上などメディアで伝えられる環境問題の中に地球温暖化があります。ある試算によれば、ヒトがこのまま化石燃料に依存した消費型の生活を続けた場合には今よりおよそ 4℃、循環型の生活に切替えていったとしてもおよそ 1.8℃、今世紀末までに平均気温が上昇するだろうといわれています。特に今年は、世界的に異常気象に見舞われ、その中には地球温暖化の影響もあるのではないかともいわれています。

さて新江ノ島水族館にさほど遠くない海域に目をやれば、今年の横須賀あたりの異常な高水温が目につきます。東京湾や相模湾を始めとする日本沿岸域は、例年 2月から 3月頃にその年の最低水温期を迎え、もっとも海水が冷たくなる時期となります。
神奈川県や東京都がほぼ毎日発表する「一都三県漁海況速報」で横須賀沿岸の海水温を見ると 2月9日には 12.5℃との報告です。例年この時期、この付近の海水温が 10℃を越えることは珍しく、平年の水温は 9℃前後といわれています。つまり平年より 3.5℃も高い状態が続いています。
このように水温が高い状態がこの季節続けば、いつもの年は冬に死滅する熱帯由来の外来性二枚貝のミドリイガイがこの冬は死滅することなく夏まで生き残るかもしれません。そうなれば、今年の夏はいつに無く海岸にミドリイガイのこどもがたくさん付着し、海岸のようすが変わるかもしれません。

日本の温帯域の海が確実に熱帯化していくのか、監視をしていく必要がありそうです。

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