2007年03月02日
トリーター:伊藤

飛行機への液体持込制限から

3月1日より、日本発国際線機内への液体(飲み物や化粧品)の制限が厳しくなりました。
“リポビタンD”ひとビン分しか持ちこめないそうで、空港のゴミ箱はペットボトルで一杯、カウンターで飲み物を預けるお客さんも目立ったようです。この措置、液体爆発物などの危険も考えてのことだそうです。そういえば最近は国内線の方も、液体の持ち込みチェックが厳しくなった気がします。安心して空の旅をするためには必要なことだとは思いますけどね。
それと少し関係ありますが、私は以前に飛行機で生きた魚を運んだ経験があります。現在、「今上陛下のご研究コーナー」に展示している「ホシマダラハゼ」で、沖縄から連れてきました。
水生生物を遠方へ運ぶ場合、酸素パックをして宅配する方法がよくとられますが、輸送時に弱ってしまう場合もあるので、その時はどうしても自分の手で持って連れ帰りたいと思いました。そこで、手持ちのカバンの中身を取り出して宅配便にし、空になったカバンの中にパックした魚をつめて持ち込みました。
カバンの中は空港のチェック時に検められましたが、その時は制限も現在ほど厳しくなかったので、すんなりと飛行機に乗る事ができました。
そんな超高高度を飛んでやって来たホシマダラハゼですが、来た頃より体の「星まだら模様」が薄れてきているような・・・といっても体調が悪いわけではありません。
ホシマダラハゼは成長するにつれて模様が変化するのです。稚魚の頃は白い縞模様、若魚の頃は星まだら模様、老成すると模様なしの茶色一色になります。展示の個体は若魚から成魚への微妙な時期なわけですね。川のハゼとしては類稀な美貌?を失うので少し残念な気もしますが、模様の消えた本種のシブい重厚さもまた魅力的です。この模様の変化はかなりゆっくりすすむようですので、完全に模様が消えるまではまだ相当時間がかかりそうです。
また、本種はかなり大きくなるハゼで、最大で 45cmにもなります。当館に来て数年経ちますが、これからも成長が楽しみなハゼです。

ホシマダラハゼホシマダラハゼ

皇室ご一家の生物学ご研究

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