2007年04月14日
トリーター:佐藤

赤い血潮

いやー、きょうの江の島は本当にいい天気で・・・。
もうすぐゴールデンウィークもやってきますし、気持ちがウキウキしてきませんか?
風は強いようですが、日差しの具合によっては、暑いと思うきょうこの頃、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、えのすいトリーターの佐藤です。

先日のことになりますが、私は深海の生き物を採集するため、海洋研究開発機構の船に乗せてもらい深海調査に同行させてもらいました。そのような調査で新江ノ島水族館にきた生き物の中にシロウリガイがいます。
実はシロウリガイ、ほかと比べて無脊椎動物の中ではあまり例がない特徴を持っています。

それは何かというと・・・≪血が赤い≫ことです。

我々人も含めて魚、カエル、ヘビ、鳥などの脊椎動物は、ほとんど血液は「赤い」ですよね。でも無脊椎動物の血液は「赤い」ということがあまり無いんです。それどころか血液というよりも、体液とか、組織液とかになってしまうことのほうが多いです。そんなことを思いつつ水槽を見てもらうと、新たな感想が出てくることと思います・・・。

すいません m(_ _)m

実はよく見えなかったりします。なぜなら水槽内を照らす照明が赤いからです。そのため、シロウリガイを含む水槽全体が赤くなっています。では、なぜ赤くしていると思いますか?
それは水と光に大きく関係しています。光って水に入ると赤い色に近い物から吸収されてしまうんです。ですから深いところに住んでいる生き物ほど赤い色を識別する能力が弱い場合が多いです。照明を赤くすることで、光が水槽中の生き物に与える影響を抑えているわけです。

だから見えづらいなんていわないでくださいね。

シロウリガイ (C)JAMSTEC シロウリガイ (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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