2007年05月09日
トリーター:伊藤

田園の生き物大好き

最近暖かくなってきて緑が濃くなってきましたね。こんにちは伊藤です。
唐突ですが、会社を舞台としたTVドラマなどで「若手社員が上司から責任ある仕事を預けられ奮起」といったシーンがありますよね。水族館の飼育係にとってこれは、「新しい担当を任せてもらえること」にあたります。
どんなに小さなコーナーでも、とても嬉しいものです(責任が重く圧し掛かる瞬間でもありますが・・・)。

さて、少し前ですがこの 5月よりテーマ水槽が新しくなり「田園の生き物」となりました。こちらを昨年 6月の「カエル展」以来1年ぶりに担当しております。
私が最も好きな対象(テーマ)なうえ、久しぶりに主導の担当となり、喜び勇んで展示作りに励みました。
今回は大きく 2つの目標を立てました。一つは「淡水貝類とタナゴ類の共生」です。「淡水二枚貝の暮らしぶりを調べて、分かったことをみなさんに知ってもらう」ことは伊藤の大きなテーマでして、水族館で展示展開は夢でした(今回の担当をふっていただいた唐亀トリーターに感謝感激です)。
種類自体はそれほど珍しいものではないですが、ほとんど注目されることのない淡水二枚貝の生態の部分を強調する解説を自作のイラストや顕微鏡写真を入れるなどしてみました。ちょっとカタい解説になってしまいましたが・・・読んでいただければ幸いです。
もう一つは「水生昆虫の効果的な展示法」の模索です。子供に人気がある彼らですが、基本的に陰気で動きが少ないため、どうも地味になりがちです。
珍しい種類、動きの活発そうな種類、魚類との相性など考えて、小さなゲンゴロウ類を常に水槽前面でご覧いただけるようにし、大きいけれど草食でおとなしいガムシを魚と同居させたりしてみました。水槽の自然景観に隠れてしまうこともありますが、水槽内で彼らを探して、自然での暮らしぶりを思い浮かべていただければと思います。

思えば、今でこそメジャーな展示のクラゲも、昔は嫌われ者でまさか水族館で展示されるようなものではなかったはず?です。
先輩たちはそんなクラゲを愛し、飼育方法を編み出し、魅力的な展示方法を確立してきたわけです。そんな隠れた魅力を持った生物がこの地球上にはまだまだいるはずだと思いますし、そんな生物の魅力を引き出して伝えていければと思うこの頃です。

5月のテーマ水槽5月のテーマ水槽

テーマ水槽

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