2007年06月20日
トリーター:倉形

この時期に咲く、日本伝統の「花」

6月14日に神奈川県は梅雨入りしたというのに、一向に梅雨らしい天気では無く、真夏のような日々が続いていますね。
本来ならこの時期、しとしとと雨が降るその雨しずくがとても似合う花と私が思っているのが「杜若」や「花菖蒲」そして「菖蒲」であります。
3種類の花を漢字で列挙しましたが、みなさんすべて読めましたか?
では、一応ひらがなでも書いて置きましょう。「杜若=かきつばた」、「花菖蒲=はなしょうぶ」、「菖蒲=あやめ」であります。
と偉そうに書いた私も最初から読めませんでした。調べてようやく分かった次第であります。

この花たちはアヤメ属の植物で、日本原産種であります。春から初夏にかけて咲く正に梅雨の時期が旬であります。
平安時代から霊験のある花として大切にされてきました。江戸中期になると武士の嗜みとして花を愛でることをしてきたのと同時に野生種を元に品種改良がなされ、それと共に各地で菖蒲園が多く開園しました。

この 3種の花は大変良く似ています。簡単な見分け方は、水中で生育するのが「かきつばた」で花びらの付け根が白いです。そして次に湿地で生育するのが「はなしょうぶ」で花びらの付け根が黄色いです。最後に、乾燥地で生育するのが「あやめ」で花びらの付け根にあみ目模様があります。

余談ではありますが、5月の端午の節句のとき入るお風呂の「菖蒲湯」はしょうぶの葉の部分を使用しますがこの「しょうぶ」はサトイモ科の仲間であります。
もう一つおまけに、物の例えとして表現されるのが『いずれあやめか、かきつばた』とは美しくて見分けがつきにくい物のことをいうようになったのです。
このような日本情緒のある花が、みなさんの近所にも咲いていたらちょっと足を止めてじっくりと鑑賞して見てはいかがでしょうか?

梅雨入りもどうなってしまったのか?
ちょっと水不足が心配な今日この頃ですが、最近は天候に恵まれています。この機会に伝統文化を堪能して見ましょう。何か発見があるかも知れませんよ!

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