2007年09月09日
トリーター:伊藤

[DEEP IMPACT 3] ダイオウグソクムシの子分

登場以来、その圧倒的な存在感で深海コーナーを沸かせている「ダイオウグソクムシ」、数回に分けてその魅力をお伝えしてきましたが、今回は番外編をお送りします。
参考展示として登場させた「ハマダンゴムシ」についてです。

ダイオウさまたちが属するグループ(等脚類)の中で最も有名なのがダンゴムシでしょう。
今回参考展示した「ハマダンゴムシ」は御馴染のオカダンゴムシよりやや大きく、穴掘りじょうず、走る速さが 3割増(オカダンゴムシ比)、つぶらな瞳がかわいらしい小熊のような奴です。

ハマダンゴムシは名前の通り、砂浜のごく限られた環境にすみます。波打ち際過ぎても、陸寄り過ぎても見つかりません。そこで今回はとっておきの方法で採集にあたりました。酒盛り落とし穴作戦です。
コップを砂浜すれすれに埋めて、中にビールとカルピスを混ぜたものを綿に染込ませて一昼夜置いておきます。
翌朝見てのお楽しみ、中には甘酸っぱい香りに誘われてハマダンたちがわらわら、という寸法です。
この方法は、環境調査などで地表性の昆虫などを定量的に採取するために使われる技法で、私も昔、調査に参加した時に教わりました。まさかこんなところで役に立つとは思いませんでしたけど。

小さなハマダンたちですが、よく見ると本当にかわいいです。ダイオウさまを存分に楽しんだ後にちらっと見てみて下さい。


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ハマダンゴムシハマダンゴムシ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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