2007年09月11日
トリーター:足立

クラゲモリノヒトリゴト 参

風の詩を聴かせて

台風は嫌いではない。
むしろ好きかもしれない。
あまりに強大で、敵わないから。
「畏怖」とか「畏敬」とか、そういう感じ。

9月9日(日)台風 9号一過。
あらら「 9」がいっぱい。
9・・・「ク」はクラゲの「ク」。
あ、だからクラゲ日和だったのか。

発端はお客さま情報。
「材木座の方から浜を歩いてきたら、これががいっぱい打ち上げられてました。飼ってみたいんですが?」
「うーん、残念ながら飼うのは難しいんです。」

しかし意気揚々と、クラゲモリは砂浜へ出た。

バケツを手に、水族館の前の砂浜を怪しく歩く。
ひゃー、失礼しました。
下ばかり見ていたら、横になって日光浴中?の若い男女の半径 1mまで近づいてしまった。
まだ夏の余韻が残る日曜なので、海水浴を楽しむ親子連れもいる。
落とし穴を掘ったりして、楽しそう。
休憩中のウインドサーファーは、羽を脱いだ蝶のようだ。
「Life」っていう映画やってるなあ、なんて思いながら、羽を踏まないようにずんずん歩く。
「すいません、いいですか?」なんて、バケツに空き缶を入れようとする人もいる。
ちょっと違うんだけど・・・でも断れずに、海岸清掃ボランティアを演じる。

お、いるじゃん!
と、声に出したかどうかは覚えていないが、波打ち際近くで、まずはギンカクラゲを発見。
今まで見た中ではいちばん小さい。小指の爪ぐらいの青い銀貨を砂の上に見つけて、
「これは、ギンカクラゲがこういうもので、こんな風に打ち上げられる、ってことを知らないと、まず見えないでしょ、こんなもの。」と、ひとり静かに喜びを噛み締め、いそいそと拾ってバケツに入れた、クラゲモリであった。

そのあと、復路にてカツオノエボシも 4つ拾うことができた。
1つ目は嬉しくてすぐにバケツに入れてしまったが、あとの 3つは冷静に、打ち上げ状況を写真に撮影してから、ゆっくりと指でつまんだ。
長く飼えればいいのだが・・・。

大波や大風は、沖の方からいろんなものを届けてくれる。
最後は、サクラガイなども拾ってみて、美しく、キメてみた。

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[ 弐 Wait for me ]
[ 壱 ワインの匂い ]

漂着したカツオノエボシ漂着したカツオノエボシ

クラゲファンタジーホール

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