2007年10月07日
トリーター:櫻井

う、くせー。

今朝の出勤時、家の前に植えてあるキンモクセイが香っていました。あくびをしながら、もう秋だな、と、観念しました。
私は夏が大好きで、9月も夏気分。秋マックの月見バーガーを食べてても夏が終わったことを認めませんが、このキンモクセイの香りを嗅ぐと、素直に今は秋であると観念します。

香りというのは不思議ですね。今朝もそうでしたが、ある匂いを嗅ぐと過去のその時期にあった出来事がフラッシュバックしてきます。みなさんもそのような経験ないでしょうか。
音楽なんかもそうですよね。嗅覚や聴覚が生きていくうえで重要な役割を果たしているのは人間だけではありません。
身近に相模湾大水槽の魚たち、餌を投げ入れるとものすごい勢いで群がります。これは嗅覚なのか・・・ ばしゃっという音も反射になっている可能性があるのでこれはちょっと微妙な例ですが、シノノメサカタザメの好物、ガザミを水槽底に落としたときの反応はまさに嗅覚がものをいっています。
シノノメサカタザメは海面すれすれを泳いでいても、カニが水槽に入るとものすごい勢いで急降下していきます。水槽底と海面、6.5メートルという水深もものともせず匂いを嗅ぎつけます。
魚たち、海の生き物は嗅覚に頼って生きているところが大きいですね。
もう一つ、ゴンズイという魚。ゴンズイ玉という群れを成しますが、この群れはフェロモンによるものです。
フェロモンはその種特有の匂い物質であり、仲間を見分け、群れを成し、外的から身を守るなどの役割があります。
生き物が自然界で生きていくのにさまざまな防衛手段がありますが、その中の一つ、群れを成すというのにも嗅覚が一役かっている場合があるんですね。
その他海産生物以外でも、スカンクのおならなど有名ですよね。「う、くせー」といって敵は逃げていきます。
五感をフルに使った展示、究極の展示を目指して日々頑張ります。

シノノメサカタザメの食事シノノメサカタザメの食事

相模湾ゾーン

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