2007年10月15日
トリーター:小谷野

黒い塊

『ゴンズイ玉』 どこかで聞いたことはありますか?
ゴンズイは海にすむナマズのなかまの魚です。
何百匹ものゴンズイが群れているようすから、『ゴンズイ玉』と呼ばれます。
“えのすい”ではちょうど今、入り口から入って 2つ目の水槽でこのゴンズイ玉を展示しています。私はこのゴンズイ玉がとても好きです。
まるでなにか 1つの生き物のように変幻自在に群れの形が変わっていくようすは、ずっと見ていてもあきません。

今“えのすい”にいるのは近くの漁師さんの網にかかったものと、私自身がつい 3日ほどまえに江の島で採集してきたゴンズイたちです。
塊になっているので網で捕まえるのは簡単です。そーっと網を近づけ、いっきにすくえば一網打尽です。
みんなバラバラに逃げれば捕まらないはずですが、どうもみんなで群れていないと安心できないようです。
ゴンズイを捕まえるときには 1つ注意しなければならないことがあります。ゴンズイのひれには毒の棘があり、刺されるとその人の体質によりますが死に至ることもあるそうです。
ゴンズイは手でつかまないようにしましょう!

さらにゴンズイのおもしろいところは、この魚がホンソメワケベラのようにクリーニングフィッシュ(他の魚の体表やエラを掃除し、古い皮ふや寄生虫を食べて掃除してくれる魚)である点です。
えのすいでも、相模湾大水槽のクエがゴンズイに口の中を掃除してもらっている姿をときどき見ることがあります。

海ではときとしてゴンズイ玉がダイバーに近づき、掃除しようとしてくれるらしいのですが、想像するとちょっと怖いですよね・・・。

ゴンズイ玉ゴンズイ玉

相模湾ゾーン

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