2007年11月09日
トリーター:伊藤

過酷で楽しい「やぶこぎ」ハイク

すっかり秋も深まり、そろそろ関東でも紅葉になり、ハイキングのシーズンが来ますね。
私も家族が紅葉好きなので一緒に行く場合もありますが、多くの場合が一人ぼっちの「やぶこぎ」です。

「やぶこぎ」とは、道のない雑草地帯をかきわけながら進むことです。
川や干潟に採集に行く場合、人の手が入っていない自然度の高いポイントを目指すのですが、そんな場所には当然ながら道などありません。
こういった場所は増水時に地表が攪拌されるため、大木が生えず、日当たりが良いので、半年で 3メートル以上になるヨシや、ビオ○ンテみたいにぐんぐんツルをのばすクズ(葛湯の原料)がおおい尽くすことがしばしばです。
自分の背丈よりも高く、手足に巻きついてくる(気がする)草を力いっぱいかき分けながら進むのですが、特にやっかいなのが「ノイバラ」「カナムグラ」「イラクサ」でしょうか。
ノイバラは観賞バラの原種で、小さな白い花をつけます。花は小さいくせにトゲトゲのツルは立派極まりなく、どんどん伸びてバラセン生垣のような群落となります。
カナムグラはチクチクと刺さる小棘のあるツルが強靭で、それこそ針金のようです(ボロいカマではなかなか切れないほど)。大雑把に進もうとすると、決まってこれに足をとられて転びます。
イラクサは毒草ですが、食べて害のある多くの毒草と違って、茎にあるトゲに毒があり、刺さるとすこぶる痛いのです。昔、知人がエノコログサをしごくようにイラクサに手を出し(おそらくサワサワとした感触を期待したのでしょう)、大変な目に遭っていました。
こんな草たちの猛攻をかいくぐり、ズボンは穴だらけ汁だらけ、手は傷だらけでポイントに着き、採集を始めるとそれまでの苦労が一時だけ和らぎます。そして帰りの「やぶこぎ」には採集した生物が荷物にプラスされるのです・・・。

「やぶこぎ」の楽しさ?が少しでも伝わりましたでしょうか?・・・場合によってかなり危険ですので安易に真似はしないでください・・・。やぶの中でぎっくり腰にでもなったら・・・もう大変です。

「やぶこぎ」の末にたどり着いた魅惑の泉「やぶこぎ」の末にたどり着いた魅惑の泉

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