2007年11月13日
トリーター:根本

長生きする動物

先日、アイスランド沖で世界最高齢の動物が発見されたというニュースがありました。その年齢は、なんと 400歳!すさまじい生命力ですね。
さて、どんな生き物だと思いますか?それは二枚貝なのです。さぞや珍しい種類の貝なんだろうなと思われるかもしれませんが、東京湾にも生息している珍しくもなんともない二枚貝なのです。
この貝、ホンビノスガイといい、10cmくらいのハマグリみたいな貝なのですが、潮干狩りに行くと、結構とれるんです。学生のころ研究室の仲間と千葉県の三番瀬で潮干狩りに行った時もたくさん取れました。網で焼いて醤油を垂らして食べるとかなりおいしいです。

野生動物の年齢を調べるのはなかなか難しいのですが、中には体の一部に年齢を刻み込んでいる生き物がいます。今回の貝では殻に成長線という筋を数えることで年齢を出したそうです。
他にも、魚では耳石という耳の中の石や鱗、クジラは歯や耳に詰まっている耳垢栓といった場所の年輪(成長線)を調べることによって年齢を知ることができます。
これらのような手法などを使い年齢を調べてゆくと、案外長生きな動物がいくつかいます。

まずは魚。魚での長生きの記録ではメバルの 100歳というのがあります。他にもウナギが 50歳、金魚で 45歳、コイでは 70歳を超えるものもいるそうです。
次に鳥、鳥の長生きといわれて浮かぶのはツルですよね。実際何年くらい生きるかというと、野生では 30年、飼育下で 50- 80年くらいだそうです。鳥ではオウムが長生きなようで 104歳という記録があります。
さて鶴ときたらやはりカメです。カメの最高齢といえばオーストラリア動物園のハリエットというガラパゴスゾウガメです。このカメは、あのダーウィンがガラパゴスから持ち帰ってきたとされていて去年の 6月まで生きていました。175年間生きたことになります。
最後に哺乳類です。哺乳類で最も長生きなのはクジラでホッキョククジラでは 200年生きているものもいるそうです。
次に長いのがゾウで 80年から 100年。そして次に来るのが日本人女性。ちなみに平均寿命が 86歳で人類でダントツの生命力をもっています。

こう見てみると生き物は案外長く生きる者がいます。しかしホンビノスガイの 400年はずば抜けています。400年前といえば徳川家康が江戸幕府を作った頃です。しかも 10cmくらいの何の変哲もない貝ですから驚きです。
案外身近にも恐ろしく長く生きている生き物がいるかもしれませんね。ちなみに 400歳のこの貝、見つかった時はまだ生きていて、年齢を調べる時に身を貝から剥され、400年の長い人生を終えたそうです。なんか切ないですね。

こんな風に生き物の人生を考えて行くと、見方が少し変わってきます。ちなみに深海コーナーに居るハオリムシの仲間は 250年以上生きるそうです。そんなことをちょっとい考えながら見てみてください。見え方が変わってくるかもしれませんよ。

サガミハオリムシ (C)JANSTECサガミハオリムシ (C)JANSTEC

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