2007年11月14日
トリーター:戸田

見てるよ。

イルカのショーをおこなっているプールの横に、サブプールと呼んでいるカマイルカを飼育している場所があります。ここは水中のイルカを観察できるように、地下にアクリル板を取り付けています。このアクリル板の表面にたくさんの筋状の傷が付いています。実はカマイルカが歯で付けた傷なんです。

水族館は人間が生き物をいろいろな目的で観察し、たのしむ場所ですが、実は生き物たちも人間を観察しています。
ほとんどの生き物は毎日のことですので、無関心を装い無視しています。中にはイルカのようにあからさまにアクリル板越しにジ~~と人間を観察する個体もいます。時には水がかかるようにジャンプし、その反応を見て楽しんでいる?ようなイルカもいます。

オットセイはきょろきょろと目を動かしていますので、見られていることは分かると思います。普段は無反応ですが、ある道具を見せると近寄ってきます。
ペンギンも別の道具を見せると反応し、道具を追いかけて遊びます。

人間の見方により生き物に影響を与える場合もあります。イワトビペンギンは飼育年数 22年、“えのすい”でも最初から現在のプールにいますので、見られることにかけてはベテランです。
最初はお客さん側を向いていました。ほとんど動きませんので写真の被写体には絶好です。
ペンギンプールでもストロボ撮影は禁止とお願いをしていますが、「ピカ、ピカ」とよく光っています。ある日からイワトビペンギンは背中側を向けるようになってしまいました。閉館後には再び元の向きに・・・。
カマイルカも最初はアクリル板に傷を付ける行動などしていません。ある日から急に始まりました。原因は定かではありませんが、ひょっとして人間側がきっかけを作ったのかもしれません。

このように生き物達も人間を見ています。生き物に見られていることを意識して観察するとおもしろい発見があるかもしれません。

カマイルカカマイルカ

イルカショースタジアム

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