2007年11月25日
トリーター:植田

エチゼンクラゲ採集シーズン

この時期当館恒例の採集作業があります。エチゼンクラゲの採集です。
エチゼンクラゲはみなさんもよくご存知の、例の巨大クラゲで、10月から 11月頃をピークに日本海側の各地の海岸に押し寄せ、定置網漁や引き網漁をはじめ漁業者を悩ましているクラゲです。
大きなものでは傘の直径が 1メートル以上、重さも 200kgを超えるといいますから、その大きさには目を見張るものがあります。

当館がこのクラゲを本格的に採集し始めたのは、一昨年の秋からで、その年には思いがけず繁殖までこぎつけ、野生の親からポリプを取ることができました。昨年には繁殖も進み、ポリプからエフィラ幼生、そして傘の直径が 15cmまでの若クラゲまで成育することに成功しました。
このクラゲがなぜ大きくなるのか、なぜ大量発生するのか、どのように日本沿岸にやってくるのかなどといった問題は、まだベールに包まれています。当館では、今年もエチゼンクラゲが押し寄せる日本海側の沿岸に赴き、おとなのクラゲを採集し、そのクラゲから子どもを繁殖させて、その経過をいろいろな条件で観察しようと考えています。そういったことからこのクラゲの謎が一つでも解けたらいいと思います。
また、おとなのクラゲが入手できればそれを来館者に公開して、このクラゲのことを多くの方にお知らせしたいと考えています。

エチゼンクラゲエチゼンクラゲ

クラゲファンタジーホール

RSS