2008年01月12日
トリーター:秋山

ハナゴンドウのビーナ

また今年も成人式がやってきますね。14日は各地で成人式がおこなわれることだと思います。
成人式は、20歳になった喜びをみんなで祝う式でもありますよね。
ここ“えのすい”にも、来週の 19日で飼育年数が 20年になるハナゴンドウがいます。先日、鬼丸トリーターの日誌でも紹介のあったハナゴンドウです。
実は今、僕はそのハナゴンドウの担当をしているので、きょうはハナゴンドウの「ビーナ」について紹介したいと思います。

世界で最も多く飼育されているバンドウイルカは有名ですが、ハナゴンドウという種類のクジラはご存じですか?
ハナゴンドウは、熱帯および温帯の全海域に生息しています。
通常は 50頭以下の群れを成していますが、時には 100頭以上になるときもあるそうです。
日本では太平洋岸の沖合いでよく見られ、「ビーナ」も和歌山県の太地というところからやってきました。
成長すると、体長はオス 4.0m/メス 3.5m、体重はオス約 400kg/メス約 350kgにもなります。
体色は、成長とともに明るい灰色から黒ずんだ灰色、再び明るい灰色と変化します。
仲間との争いや遊びなどでついた体表の傷が白い模様として残り、この傷あとが花のように見えること、そして、巨大な頭をしていることから「花巨頭」と呼ばれています。
ハナゴンドウは、頭部の正面中央が縦にややくぼんでいるのが特徴です。
歯は、下あごだけ左右に 2~ 7本生えています。「ビーナ」は全部で 6本の歯が生えているんですよ。
その歯がとても愛らしくて、口が開いているときの表情は 1番のオススメです!
自然界では、その歯をじょうずに使い、主食とするイカや魚を捕まえます。「ビーナ」は 1日にサンマやシシャモを 10kgくらい食べていますよ。

「ビーナ」はちょっと頑固な一面もありますが、頑張り屋さんで活発なところもあります。
時に胸びれや尾びれで水面を叩いたり、ジャンプして体全体を水面に叩きつけることもあるんです。
ちなみに旧・江の島水族館には、「ヨン」という 42年も飼育年数を重ねたハナゴンドウがいました。「ビーナ」にもぜひ、長生きしてほしいものです。

「ビーナ」は現在、イルカショースタジアムの一番奥のブリーディングプールで生活をしています。
みなさんが会いに来てくださることを、「ビーナ」と心よりお待ちしております(^^)/

ビーナビーナ

イルカショースタジアム

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