2008年01月23日
トリーター:足立

「枕団子」 清湘南言

冬はつめて。
雪の降りたるはいふべきにもあらず。
潮は夜。
月の頃はさらなり。
闇もなほ。
ダンゴウオの照らされてふよふよと、
三つ四つ、二つ三つなど、
泳ぎ出るは、いとをかし。


[現代語訳]
冬は冷てえ~。
でも、それがよい。
雪の降ったときはいうまでもない。冬は夜によく潮が引く。
満月の時期はなおさらだ。新月もなおよい。
ダンゴウオが灯りに照らされて、ふよふよと、
3匹 4匹、2匹 3匹などと、
泳ぎ出てくるようすはとても面白い。


寒いのが好きな人はあまり多くないかもしれませんが、やはり冬は寒くなくてはいけません。
暖房器具や建物のつくりの進化のためか、あるいは他の理由のためか、今の冬は昔の冬より寒くなくなったと感じるのは、私だけでしょうか。

さて、生きもの中には、もちろん冬の時期だけに現れるものがいます。
きょうご紹介しているダンゴウオも、相模湾ではほとんど冬だけにしか見られません。
現在展示中のダンゴウオは、スタッフの一人が採集してきました。
浅いところに棲む魚で、じっとしている時はなかなか見つけられないのですが、懐中電灯などで照らすと、驚いて泳ぎます。でも、その泳ぎ方があまりにのんびりしているので、すぐに捕まってしまうのだそうです。
成長しても体長は 2cmほどにしかなりません。

なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし。
生けるものみな、あはれなり。


[現代語訳]
何でも、小さいものはみなかわいい。
生きものはみな、趣深い。

ダンゴウオダンゴウオ

相模湾ゾーン

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