2008年04月05日
トリーター:伊藤

貝を食べる猛者たち

本日より、戸田深海トロールで採集したカニ「コツノキンセンモドキ」を展示しました。
上から見るとちょっとワタリガニのようですが、カラッパに近縁な種類です(顔を前からみてみると、なるほど確かにカラッパ似ですね)。
本種を含むカラッパの仲間は、ハサミに「こぶ」を備えています。このこぶは巻貝を食べるとき、殻に引っ掛けて割っていく「缶切り」のような役割を果たします。
カラッパが巻貝を「缶切り」していくようすは言葉で言い表しにくいですが、見ていてとても興味深いものです。
コツノキンセンモドキが同様の行動を取るかどうか分かりませんが、水槽には巻貝もいれてありますので、少し期待しているところです。

さて、貝は食べて美味しい海の幸ですが、硬い殻を身にまとっているため、食べるためにはさまざまな工夫を強いられます。
上述のカニ類以外にも、臼のような歯で砕くネコザメ、じわじわと力を加えて二枚貝を疲れさせてこじ開けるヒトデ、茹でてから爪楊枝でほじくり出す私などがいます。
さらに陸上には、カタツムリを専門に食べるマイマイカブリという虫もいます。
細長く特殊化した首を貝殻の中に差し入れて中身を美味しそうにむしゃむしゃ食べる様子は、別の意味で一見の価値アリですが、実はこのマイマイカブリ、当館の展示として近々登場させる予定です。
隠れカブリファンの方(別にファンでない方も)は心の中でこっそりと喜んでいただければ幸いです。

深海カラッパ類のコツノキンセンモドキ 深海カラッパ類のコツノキンセンモドキ 以前展示していたトラフカラッパ(右ハサミのコブに注目)以前展示していたトラフカラッパ(右ハサミのコブに注目)カタツムリの天敵マイマイカブリカタツムリの天敵マイマイカブリ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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