2008年05月22日
トリーター:寺沢

アホウドリとアルバトロス

日本語ではあまりいけていないが、英語にするとクールに変身してしまうものがある。
例えば、アホウドリとアルバトロス(Albatross)が同じものとはイメージし難い。

助走なしには飛べず、地上では鈍重な鳥、警戒心もあまりなく、陸上で捕まえるのに簡単な鳥、阿呆な鳥、アホウドリと呼ばれたらしい。
ゴルフ用語のアルバトロスは、翼と風を巧みに利用することで長距離を容易に飛ぶ鳥の一つである、その英名に由来する。

アホウドリは、19世紀末から 20世紀前半にかけて羽毛をとるために 500万羽以上が乱獲され、1949年には絶滅したと考えられていた。
しかし、1951年に伊豆諸島鳥島で再発見されてから積極的に保護され、鳥島集団の個体数は約 1,945羽に回復した。
現在、かつての繁殖地の一つである、鳥島から小笠原諸島聟島列島にひなの移動が進められている。

5月 19日朝、聟島で飼育中のアホウドリ 1羽が巣立った。

他の海鳥が落とした魚を漁ることで生活していると思われていたので、天から魚が降ってくることを信じている馬鹿な鳥として、中国ではアホウドリは信天翁と呼ばれた。

阿呆な鳥で、馬鹿な鳥だが、洋上の飛翔能力は鳥類の中でも最も高い。

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