2008年07月16日
トリーター:伊藤

網戸にやってくる「カナブン」

石垣島より帰ってきて一週間、最初は本州の涼しさに驚いたものの、最近ではすっかりなじんでしまいました。
そんな暑い夏が四季の中で一番好きです。生き物たちが一番活気付く季節だからです。
これから夏休み、虫採りに行く準備はできましたか?

この季節、自分から会いにいかずとも向こうからやってくる昆虫がいます。
夜に窓を網戸にしておくと飛んでくるコガネムシ、俗にいう「カナブン」です。
江の島周辺で一番よく見られるのはオオコフキコガネ。
茶色のボディに粉をふいたような白いまだら模様があります。さらにオスにはキセルのような立派な触角がついています。

青銅色~メタリックグリーンに輝くのはドウガネブイブイ。
手に掴むとよく「おもらし」するため、私が子供の頃は「フンカナ」などと呼ばれ好かれませんでしたが、よく見ると腹が紫色に輝き、その渋い美しさに気付くはずです。
海に近い場所では、くっきりとした白いライン模様が美しいシロスジコガネもやってきます。
幼虫が海岸や川辺の植物を食べて育ちます(水族館でも育て中です)。
手に掴むとキィキィとカミキリムシのように「鳴き」ます。
これらの昆虫は昨年の今頃「発見の小窓小さな地球コーナー」で展示したこともあります。
うまく飼うのは難しい昆虫ですが、夏の自由研究にどうですか?

ちなみに「カナブン」というのはコガネムシ科の大形ハナムグリ類の1種の名前で、こちらは網戸にやってくることはまれです。
広葉樹の樹液にやってくる金ピカのコガネムシで、力が強く、手でつかんでいるとこじ開けて逃げようとするほどです。
飛ぶ力も強く、昔の子供たちはカナブンにヒモをつけて空飛ぶ虫をお散歩させたりしていました。
子供のころはカブトムシ採集の脇役的存在でしたが、今では逆にカナブンの方に魅力を感じています(判官びいきでしょうか)。

航海も終わり深海展もスタートしたことですし、久々にカナブン採集にいってみようかと思っています。

オオコフキコガネオオコフキコガネシロスジコガネシロスジコガネ

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