2008年08月14日
トリーター:植田

海の「セミ」たち

8月14日といえばお盆ですね。この時期田舎に帰省して、蝉時雨を聴いていらっしゃる方も多いことでしょう。
当館の「川魚のジャンプ水槽」でも、夏の渓流の雰囲気を醸そうと、今月からアブラゼミやヒグラシたちの声が聞こえるようになりました。
そこできょうは「セミ」に絡めて、海の生物の「セミ」たちを簡単に紹介しましょう。

まず虫のセミに分類的に近いところから、昆虫類と同じ節足動物の中に「ウミセミ」と呼ばれる生き物たちがいます。
その代表格は「シリケンウミセミ」です。
形は庭などによくいる「ダンゴムシ」によく似ており、大きさは 7mmほどしかありません。
江の島周辺の波打ち際でも見ることができます。
潮が引いた後の潮溜りで目を凝らして見ると、小さなダンゴムシみたいなのがチョコチョコ泳ぎ回ったり、岩肌などに止まったりしているようすが観察できます。

同じ節足動物の仲間でエビ類に「セミエビ」という種類もいます。
こちらは当館のタッチングプールでもおなじみのエビで、その名の通りセミのような姿かたちをしています。
大きさは 20cmほどです。
現在はタッチングプールが「深海生物展」仕様で、深海の生き物たちが触られるコーナーとなっていますが、同特別展が終了すると、またセミエビもタッチングプールにもどる予定です。

二枚貝の仲間には「セミアサリ」と呼ばれる種類もいます。
こちらは江の島漁港周辺の岸壁に付着するマガキの塊の中でカキ殻の間に入り込んで生活しています。
アサリと名づけられていますが、アサリのようなきれいな左右の殻の形が揃った貝殻ではなく表面がでこぼこした、白い貝殻の貝です。
殻は 3cmほどまでの大きさです。

さらに魚では「セミホウボウ」、鯨に至っては「セミクジラ」もおり、案外海の生き物に「セミ」と付くものがいることがわかります。

セミエビセミエビ

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