2008年09月16日
トリーター:伊藤

十五夜ススキをいただきます?

先日は中秋の名月、十五夜でした。
皆さんお月見をして、美味しいお団子をいただきましたか?
私はうっかりお月見を忘れてしまい、お団子だけ食べました。

さて、お月見といえばススキをお供えします。
ススキは古来より屋根の材料として人々の生活を支えてきた植物として重宝されましたが、残念ながら人間が食用にすることはできません。
しかし、そんなススキをバリバリ食べてしまう生物をただいま展示しています。
川魚のジャンプ水槽の隣の小水槽に展示しているバッタたちです。
今回は解説のない 2種類を紹介します。

まずはトノサマバッタ。
仮面ライダーのモデルになった大型種です。
体に対して頭が大きい、つまり顎も大きいので、ススキを始めとするいろいろな植物を大量に食べます(海外では増えすぎて農業に大打撃を与えることも)。
水槽内では堂々としてますが、野外では用心深く、バババッと草むらの向こうへ飛んでいってしまうので、素手でつかまえるのは困難です。

次にクビキリギス。
羽の短い幼虫が 1個体入っています。
怖い名前の由来が「かみ付くと自分の首が取れるまで離さないから」というスッポンもびっくりな猛者です。
この強力なアゴで他のバッタ類が食べられないようなススキの硬い部分もバリバリと食べることができるのです。

さて、まだ幼虫ということでピンときた方もいるかも知れません。本種は冬越しする能力があり、2年以上生きる個体もいるという童話離れしたキリギリスでもあります。
彼らバッタの食欲は予想していたものの凄まじく、エノコログサなどの餌の草はすぐに茎だけのスカスカになりますから、3日に一度は新しい草に入れかえています(ちょうど 3日目の夕方にいらっしゃると、バッタに食い尽くされた展示をご覧いただけます・・・ それもなかなかです)。

さて、私も少しだけバッタの気持ちを理解しようと、そこら辺の草を食べてみました。
ススキはさすがに無理なので、水族館の近くでつんだツルナとアカザを茹でてポン酢でいただきました。
これがなかなか、野菜に負けず美味しいものでした(家族にあきれられたのはいうまでもありません)。

立派な体格トノサマバッタ立派な体格トノサマバッタアクリルにはりつくクビキリギスアクリルにはりつくクビキリギスアカザ(中央)とツルナ(根元)アカザ(中央)とツルナ(根元)茹でたツルナ茹でたツルナ

相模湾ゾーン

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