2008年09月24日
トリーター:唐亀

黒潮の落とし物

海水浴のシーズンも終わり、海には人の姿が少なくなったきょうこの頃。
毎年、この時期に海に足しげく通う唐亀です。
テーマ水槽と小窓水槽の締め切りに追われて、逃避しているわけではありません。

この時期というのは、関東地方ならずとも磯が華やかになってくるのです。
太平洋側を北上する海流「黒潮」に乗って、南方のいわゆる「熱帯魚」の子どもたちがやってくるからです。
相模湾や駿河湾、東京湾など、サンゴ礁のイメージから遠く離れるところに、白や黄色、青などのカラフルな幼魚たちが乱舞します。
これらの魚を「死滅回遊魚」や「無効放散」と呼びます。
最近では、死滅というひびきが嫌われて、ダイバーなどの間では「季節来遊魚」などと呼ばれています。
実は悲しい運命を背負っているのですが・・・。

南の海で産卵された卵や稚魚が、北上する海流に流されてきて、磯などに落ち着くのです。
他にも、いろいろな魚の子どもたちや変わった生き物たちが目に触れる機会が増えるために、この時期から冬にかけて、ダイビングをする人々にも格好の時期でもあります。

この時期、南方からの幼魚だけではなく、温帯種の幼魚たちも多数見られるようになり、とても生命力に満ち溢れています。
来月の発見の小窓“小さな地球”水槽では、期間限定ということで、これらの生き物たちを集めてみました。いろいろな不安もありますが・・・(魚にとりつく白い点・・・)。

カニたちはしばし?おやすみになります。


[ おまけ ]  カワハギ(uogokoroバージョン)

「最近、奴らの防御体勢がパワーアップして食料を奪取できないであります」

「では連携をくむであります。私が右舷後方より前方へ回り込み、奴らの気をひきますが故、その隙に貴殿は左舷から攻撃するであります」

「ヤだ」

ハコフグの幼魚ハコフグの幼魚

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