2008年09月27日
トリーター:植田

海が荒れたら海藻拾いに

おとといからきのうにかけて、神奈川あたりは比較的強い南風が吹きました。
強い風が吹くと、海面があおられて波が高くなります。
また海の浅いところも流れが強くなります。
江の島周辺で刺し網漁をする漁師さんに以前聞いたことがありますが、多少海底付近で流れが強くなると、生き物たちの動きも活発になり、網に掛かる獲物も増えるそうです。
「海が揉まれると、漁がいい」と、その漁師さんは話されていました。

このような状況は海藻にも影響します。
相模湾の海面下 10メートルほどまでの海底の岩場には、アラメとカジメと呼ばれる 2種類の海藻が茂ります。
これらの海藻の茂みは海の中の林ということで、「海中林」と呼ばれます。
そこは小魚やいろいろな種類の無脊椎動物たちの餌を獲得するところだったり、隠れ家としてとても重要な役割を果たしています。
ところが海が荒れると、そのような海藻の一部が流れの強さに耐えかねて、根こそぎ岩からはがされる事態が生じます。そして、抜けた海藻は波に流され浜に打ち上げられます。
当館の「江の島岩礁水槽」は、江の島の地先に形成される海中林を再現した水槽です。その展示の主役は、相模湾に自生するアラメとカジメです。
私たちトリーターは、水槽内の海藻が新鮮なもので維持するため、打ち上げられたほやほやの株を拾いに海岸に出ます。
また今回も、鎌倉七里ガ浜あたりに大量に打ち上げられた海藻を拾いに行こうかと考えています。

岩礁水槽岩礁水槽

相模湾ゾーン

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