2008年11月02日
トリーター:寺沢

上海で上海蟹を食って7IAC

張さんがいた、陳さんもいた、王さんがたくさんいた、第 7回世界水族館会議(7IAC)が終わった。

今回のホスト館は、地上 468mの上海タワーの真下、上海海洋水族館。
迷ったら、『東方明珠電視塔』と書きタクシーへ。
到着したら、その周りをぐるりと回れば、必ず見つかる。
ある意味、中国で一番分かりやすい水族館。

上海海洋水族館上海海洋水族館

第1、2回は、1960年、1988年にモナコ海洋博物館水族館、第3回は 1993年にアメリカ・ニューイングランド水族館、第4回は 1996年に東京都葛西臨海水族園、第5回は 2000年にモナコで三回目、第6回は 2004年にアメリカ・モントレーベイ水族館。

応募総数は世界中から 170以上で、今回の発表はその半数にしぼられた。
ここ数年の目標だった、英語で初のスピーチは選からもれたが、しかし、なんとかポスター発表に潜り込んだ。
元えのすいトリーター・三宅さんは口頭発表、えのすいトリーターに憧れるJAMSTEC・三輪氏もポスター発表。

Reproduction of Bottlenose Dolphins in Enoshima Aquarium

今回のテーマ。
1957年の旧館オープンからこの6月の2頭まで、バンドウイルカの繁殖すべてを材料とし、9月の発表、『江ノ島における鯨類の繁殖について』風の味付けで、これまで執筆した、妊娠期から出産、出産後の血液と体温の論文でいろどりを添えた、自分なりの豪華版。

7IACは、45ヵ国 700名以上の大盛況。
ちなみに、参加者リストでは、意外な結果だった。
張さんは 12名、陳さん 8名、王さんも 8名。

世界水族館会議世界水族館会議

この続きは、いつか、どこかで。

その土地の特産品を旬な季節に味わうことほど、贅沢なことはない。
10月下旬の上海、何をか言わんや、だろう。

上海蟹。

イワガニ科 モクズガニ属 チュウゴクモクズガニ。
爪に毛が生えているのを藻屑に例えて、その名がつけらた。
上海蟹は日本で呼ばれる名前で、上海近郊の淡水湖で多く水揚げされるところから、この呼び名となり、中国では大閘蟹が一般的。陽澄湖が最も有名な産地。

旬は秋。産卵のために海に下る、季節。
雌は 10月、雄は 11月が食べごろ。
雄は雌より体が大きく、ひっくり返して腹を見ると、吊り鐘型の線が入っているのが雄で、曲線になってるのが雌。

生島治郎は小説の中でこう書いている。
雌の卵も悪くはないが、雄の味噌は絶品だ。
日本だと、卵のある雌の方を選ぶだろうが、上海では雄の方を珍重する。
甲羅から味噌を取り出し、生姜を入れた酢醤油に入れると、脂がギラッと浮く。それほど上海蟹は脂っこい。
雄の白っぽいその脂の部分は、良質なチーズかフォアグラのような味で、フグの白子にも似ている。

医食同源の教えでは、上海蟹には紹興酒が合うという。
でも、やっぱり、私は白酒がいい。
今宵のIACは予定もないし、蟹も食ったし、卡拉OKでも行こうか。

そして、中国の夜は更けた。

上海蟹上海蟹

イルカショースタジアム

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