2008年11月30日
トリーター:崎山

全身麻酔

今月のはじめ、ある手術を受けるために生まれて初めて全身麻酔を体験しました。

手術前、自分の病室で左腕に点滴を取り付けました。
そして、手術台までは自分で歩いていきました。
手術台に横になると、いろいろと固定されほとんど動けなくなりました。
やがて、麻酔の先生が、点滴から麻酔の薬を入れますよ、左腕がヒヤーッと冷たくなりますよ、といいました。
すると確かに左腕にヒヤーッという感覚がきました。
確か先生が 1、2、3・・・ と数えていたような気がします。
その途中で・・・・・・・・・・・・ ーーーーーーーーー、

まるで映画のワンシーンのように目の前が真っ暗になりました。

そして、次に気がついたのは、のどに呼吸を助ける管が入っていて軽くむせるのと同時くらいでした。
いつの間にか管は取り外されていました。
何だか全身がだるく動かず、頭痛もありました。
周りの人の声はちょっとミュートがかかっているかのように聞こえて、体のまわりに分厚いウェットスーツをまとっているかのような感覚のにぶさがありました。
体が揺れてるなあ、と思っていたら病室に戻っていました。
手術は約 2時間。その後、4時間くらいはベットで動けずに横になっていました。

なぜこのような話をしたのか。

6~ 7年前でしょうか、当館のアシカの顎が腫れてしまい、調べてみると「歯が悪い」ということで手術をすることになったのです。
トレーニングをすればできるのかもしれませんが、普通にはアシカが歯医者さんの台に座って、例の
「ウィーーーーーン!!」
という音に耐え、口を開けてくれることはありません。
全身麻酔ということになりました。
アシカの入っているゲージに麻酔ガスを充満させて、お眠りいただいたように記憶しています。

ああ、あのアシカは自分よりもっとアウェーの状況下で、こんな感じだったのかなあ、と思った次第です。

アシカなどは、人間のように吸って吐いての浅い呼吸をずっとやっているわけではなく、呼吸間隔が長く、一度深い呼吸をしたら鼻の穴を閉じてしばらく呼吸はしません。
そんなこともあり、麻酔の量はかなり難しいようです。
治療中にアシカの目が覚めるなんてことがあったら、考えるだけでも恐ろしいです。
ちなみにそのアシカは、現在もスタジアムで活躍しています。

アシカたちアシカたち

イルカショースタジアム

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