2009年02月21日
トリーター:植田

ワカメ干しの季節


2月から 3月の相模湾周辺の風物詩に、漁港周辺の物干し竿にたくさんぶら下がるワカメの風景があります。
11月から 12月に種付けされたワカメは沖合いの養殖筏でどんどん大きくなり、春先のこの時期に収穫期を迎えます。
収穫されたワカメは海岸で加工され、さっと湯がかれた後、乾燥させるため干されるわけです。
神奈川あたりのワカメ養殖の歴史はさほど長くなく、1965年ごろから急速に普及したといわれます。
またそのころ同時期に、それまで食習慣としてなかった芽株を賞味することも、小田原あたりから広がったようです。

この芽株の部分はワカメの葉の根元あたりにできた胞子葉とよばれる、その名の通り胞子を作る部分です。
若いワカメの葉が成長するにつれて根本周辺の縁にひだができはじめ、徐々にそれがボール紙を重ねたように重なっていき、最後には玉状の塊にまで成長します。
この部分は細かく刻むと糸を引く独特の食感があり、今では広く賞味されるようになりました。

当館の江の島岩礁水槽では、若葉からおとなの葉に成長するワカメのようすを見ていただけます。
根本あたりには芽株の若いのも観察することができます。

岩礁水槽岩礁水槽

相模湾ゾーン

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