2009年03月01日
トリーター:崎山

へえーっと思ったこと


先月、北米の水族館を視察してきました。
その中でじょうずだなあと思ったことを一つ。
水槽展示について、水槽の角や辺、面を感じさせない、器っぽく感じさせない、ということです。

水族館ではどんな小さな水槽でも、何かをお伝えするために何かしらの世界を造り出そうと努力をしています。
しかし、力不足で展示の中身より器など別のことが目についてしまうことがあります。
今回見学したいくつかの水族館では、60cm四方程度の小さな窓枠の水槽でも、狭さや器を感じさせない展示が見られました。
ある意味奥行きのある世界がそこでは展開されていたのです。

何をみせようという目的がはっきりしていること。
そして技術的な、生物の配置や量、水槽窓の設定の仕方、石や擬岩の配置の仕方、照明の工夫、底砂と水槽壁面の工夫、死角の作り方など、いろいろな工夫をこだわって行うことでそういった水槽ができあがっているのだと思います。

当館でもそういった見栄えや見え方に工夫している展示もいくつかあります。
うまく表現できている水槽もあれば、残念ながら失敗している水槽もあります。
その水槽単独ではうまくいっていることでも、水槽の位置、見学導線のどのあたりの水槽かなど、いろいろな要素も関わっているのだと思います。

今一度、何を伝えたいのか、それを伝えるためにはどういった工夫が必要なのかを考えて、取り組んでいきたいと思います。

川魚のジャンプ水槽川魚のジャンプ水槽

相模湾ゾーン

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