2009年03月19日
トリーター:植田

カイメンも打ち上がる?


16日は日中比較的干潮時に潮がよく引く日なので、磯採集に赴きました。
この日は三浦方面のいつも行く磯での採集と、打ち上げ物の収集おこなったのです。
いつものようにアラメやカジメの打ち上げに混ざって、この時期にはワカメも比較的多く見られました。

ちょうどその 2日ほど前に低気圧が発達して日本を通過したため、天気は大荒れとなり、交通機関にも大きな影響が出たことをみなさんもおぼえておられると思います。
相模湾の沿岸も大荒れで、3~ 4メートルの波が打ち寄せていました。
この関係で、海藻の打ち上げ物が多かったものと考えられますが、海藻を探しながら磯を歩いていると、珍しいカイメンを発見しました。
ザラカイメンという種類で、通常は水深 10メートル前後の浅い海の岩肌にくっ付いて生活する種類です。
ひしゃげた筒型の本体が1個から数個に枝分かれをした独特の形をしており、枝の元となる部分で、岩などの硬い基質に付着します。
本州沿岸あたりでダイビングをされる方には馴染みの生き物です。
しかし浅い海底にくっ付いて生活するザラカイメンが何故海岸で見つかったのでしょうか?
想像するに、先日の大荒れの海況で、海中も浅いところでは激しい潮の流れが生じ、その勢いに付着していたザラカイメンが基部ごとはがされて、岸辺に打ちあがったものと思われます。
ただ今回見つけたものは潮溜りの波の陰にたどり着き、運よく荒波に破壊されること無く、完全な形を残していました。
思いがけない拾物です。
後日海岸水槽あたりで展示を始めたいと考えています。

ザラカイメンザラカイメン

相模湾ゾーン

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