2009年04月22日
トリーター:倉形

共存


つい先日、あるニュースで見たのですが、タイで最も有名な動物園で「虎」と「豚」が一緒に生活しているという前代未聞の映像が私の目に飛び込んで来ました。
その驚きより何よりも、その写っていた写真には何ともいえない微笑ましい光景でした。

それら写真には、母親虎に寄り添う仔豚たちや、逆に母親豚に寄り添う仔虎たちのとても愛らしい姿で、誰もが心温まるものだと思います。

本来、自然界では両者は食物連鎖の関係から「喰う・喰われる」の関係にありますが、動物園という人工的な空間で飼育され、その環境に馴致し、もちろん飼育者にも馴れ、お互いコミュニケーションを図ることができています。
当然、当館でも動物とのコミュニケーションを大切にし、健康管理などに役立てています。

この動物園の展示テーマは『共存』でありますが、ただ闇雲にいろいろな動物を組み合わせて飼育展示しているわけでは無く、動物が本能として持っているものを来園されるお客さまにも解りやすく見せる生態展示で、今回のケースは「母性愛」を私たち見せてくれた 1例だと同じ飼育者として推察されます。

このような試みについては、調査・研究をおこない、そのデータをもとに行ってこそ展示に反映されるものと思います。
ですから私たちトリーターは毎日来館されるお客さまに喜んで貰えるよう、日々努力しております。

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