2009年05月17日
トリーター:浜田

相模湾へのつながり


江の島のある相模湾の奥部は、塩分の高い黒潮が流れ込んでいるにもかかわらず塩分がやや低めです。
それは、丹沢山系に降った多量の雨が、相模川、酒匂川を通じて海に注ぐためで、この雨が海水を薄め、植物プランクトンを大量に発生させ、豊かな海を作って来ました。
ところが昔に比べると、相模湾の漁獲量は減ったといわれています。
その原因の一つが水不足です。
丹沢山系の二つの大きな川はダムに堰き止められ、丹沢湖、宮ケ瀬湖を作り、私たちの生活に必要な多くの水を供給してくれています。
しかし、その為に相模川、酒匂川の川幅が痩せ細り、水量が激変しています。
更に丹沢山系の環境も心配が続いています。

その現状を目するため、丹沢山、神奈川県の最高峰蛭ケ岳( 1,673m)に登山してきました。
まず登山を開始して尾根伝いに登っていくと、土砂が流出して木の根が露出した光景です。この状況では木々はすぐに枯れてしまうのではと心配です。
さらに鹿による食害で、木々の皮が剥がれ取られた光景と、食害を防ぐ金網で幹を巻かれた風景です(なんと哀れな木々よ)。

足取りも重くなるのを堪えて頂上に辿り着く。
頂上付近の光景も、鹿により熊笹の葉が食い尽くされ細い茎だけの状態で今にも枯れそうな状況です。
頂上付近で元気なのは、毒性のあるコバイケイ草、マムシ草だけでした。
でも、少しずつ対策も成されていて、登山道の整備、鹿侵入防止の金網の延長などが施されていました。

山、川、海のつながりの大切さを改めて考えた一日でした。

土砂が流出して木の根が露出土砂が流出して木の根が露出鹿による食害を防ぐため金網で幹を巻かれた木々鹿による食害を防ぐため金網で幹を巻かれた木々

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