2009年05月28日
トリーター:寺沢

ジョンはあっち


どんなところにでも、憎めない奴、鈍くさい奴がいる。
例えば、それがペンギンの社会であったとしても。

『ペンギンストーリー』が始まる前、いい年した男ばかりでペンギンに名前を付けた。
「そんなのやめてくれー」と思いつつ、「この人、意外と少女趣味?」と考えながら、あれやこれやと。

ケープペンギンは私の担当。

このペンギン、憎めない奴、鈍くさい奴、そんな感じ。

給餌の時、サンマを与えるとくわえたまま立ち止まり、あと一歩前へ踏み出せば安心して食べられるというのに、他のペンギンに背中を突付かれて、「あっ、痛い」と口を開き、魚を落とし奪われてしまったり。

擬岩を増設した当時、好奇心旺盛で登ったのはいいものの、そこから降りることができず、次の日の朝も同じところにたたずんでいたり、と。
今でも、そこから降りるのは苦手のようで、恐る恐る、後ろ向きで降りてくる。

イメージは鈍くさい“ドン”なのだけれど、ドンはいた。「アテネ」の祖父。やっぱり、そのイルカも鈍だった。
それならば、と、ケープペンギンの生息地、南アフリカは日本語より英語、音だけを残して「ジョン」に。

そもそも、フンボルトペンギンとケープペンギンが、どれだけ違うのか、を考えた。

生息地が、ペルー、チリのフンボルトペンギンだが、両方ともフンボルト属に含まれ、体長は70cm前後、体重4~5kg、体格はほぼ同じ。

長く狭いトンネルを掘ったり、倒れた丸石の間にできた自然の隙間を巣とする、フンボルトペンギン。
地面にトンネルを掘り、低木か丸石の下で巣を作る、ケープペンギン。こちらも同じ。

ある成書によると、フンボルトペンギンの遊泳速度は 0.46 ~ 2.40 m/秒(飼育下)、ケープペンギンは 12.4± 2.4 km/時間(およそ 2.78 ~ 4.10 m/秒)。
測定方法、条件が違うので、こちらはあくまで参考資料。

やっぱり、「ジョン」が限りなく鈍に近いということが結論か?

ケープペンギンのジョンケープペンギンのジョン

ペングィーン!

RSS