2009年06月24日
トリーター:石川

やっぱりコハクの話


今月に入って既に何人かのトリーターがペンギンの換羽についてお話ししています。
本当は「梅雨時とペンギン」の話しとか最近気になっている「コンペイ」の話しをしようかと思っていたのですが、やっぱり今が旬、私が不在にしている間に劇的に換羽が進んだ「コハク」の話をしましょう。

フンボルトペンギンの換羽は毎年全羽に見られることで、その時期になれば 20羽いるフンボルトペンギンのどれかが換羽をしている状況を見ていただける、さほどめずらしい状況ではないことなのですが、「コハク」は昨年ふ化した個体で今までは幼鳥の羽毛をまとっていました。
これが成鳥の羽毛へ換わるのですから、大変身です!

特に換羽したては、白は輝くような白(大げさかな?)、黒というよりはグレー、顔の羽毛がない部分も換羽したては羽毛が生えているので、顔の感じもしばらくは全体的にぬいぐるみ系になるので、厳つい個体もかわいく見えます。
全羽に識別タグがついていなくて、一緒に換羽が始まったら私たちトリーターでもその識別は困難です。

今回の「コハク」の幼鳥から成鳥への変身は 2002年以後はじめてなので、私にとっては皆既日食みたいなイベントです(本当は毎年お目にかけられると良いのですが・・・)。
6月20日にはまだ成鳥の羽毛は見られませんでしたが、きょう 6月24日ではもう首回りと頭しか幼鳥の羽毛は残っていませんでした。
羽毛が抜け始めたのは 6月16日ごろなので、約 10日間での変身です。

ただ、実際に換羽期間とするのは、換羽準備のために餌を多く摂取し始めてから、抜け換わって給餌量や体重が元に戻ったところまでが換羽期間になりますから、見た目よりその期間はずーっと長いことになります。

そして最後に羽毛が残るところがあります。
後頭部のあたりです。
個体によっては若干ずれたり、思いがけないところに羽毛が残っていたりしますが、ペンギンが羽づくろいしたときに嘴でも足でも翼の裏でもとどかないあたりです。
体の硬いペンギンがわかる時でもあり、きっと孫の手がつかえたらほしいだろうなと思うときでもあります。
こんなときはいつも後ろから“ピッ!”って抜いてしまいたくなるのです(抜くと間違いなく怒ります!)。
「コハク」は抜けるのが早いかもしれません。
最後の一本がついているのを見られたら、とても運がいいかもしれないですよ。

コハク換羽中 6月21日コハク換羽中 6月21日コハク換羽中 6月23日コハク換羽中 6月23日

ペンギン・アザラシ

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